2008年05月04日

[魔術はささやく]読了。共感。

「魔術はささやく(宮部みゆき)」読み終わった!!全406ページ。小説読んだのもいつぶりか分からないくらい久しぶり。でも超おもしろかった。というか、共感した。

406ページ中、半分くらいを使って引かれた、伏線。何重にも引かれた伏線が、半分くらいから、一気に氷解していき、ごく自然な形で引き込まれ、ラストまで一気に読み去った。

特に最初から半分くらいまでで描かれている、ひどく泥臭い、人間臭い生々しさは、かざってなくて何処か心地よい、遠い記憶を呼び起こしてくれる。ま、リアルは小説より奇なり。というか、より泥臭いけど。

この、「白い」ものが一つも無い世の中で、また、黒も少なく、限りなく広がるグレーが描かれている気がする。

また、鍵師?のじいちゃんが死ぬ前に守言った言葉は、自分の実感値、経験と重なった。

「悪いのは、自分の意思で、やったりやらなかったりしたことに、言い訳を見つけることだ」

現実はこの小説よりもより泥臭く、また、この本に出て来るように理解者も助けてくれる人もいない。壁しかなかった子供の頃から、何の力も無い子供が、次から次に襲いくる壁にぶちのめされても、それでも自分だけの力で打ち砕くしかなくて、打ち砕けなくて、でも戦い続けた今だから冷静に読めた本。

怯え、逃げる和子の気持ちも、追い詰める老人の気持ちも、助けようとする時の守の気持ちも、守に対する吉武の気持ちも、吉武に対する守の心境の変化も、全てが自分の事のように共感できた。

思う、激しく車が行き交う大道路で、鼻先でトラックを交わす距離まで歩を進める私を、人はクレイジーだと言うけど、本当の恐怖はそんな事じゃない。本当の悲しみは、本当の怒りは、心の底から見える感情は、言葉でなくとも伝わるオーラがある。魔術に立ち向かうように・・・

ともあれ、細部まで作りこまれた名作。私も佐藤のように世界を旅したいw

魔術はささやく (新潮文庫)
魔術はささやく (新潮文庫)

次は何読もうかな・・・

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